親の人生を背負わなくていい|親子の関係と自分らしい生き方
親の人生を背負わなくていい。受け継いだものを、自分の人生に活かしていく
「親のことを大切にしたいのに、素直にそう思えない」
「親の期待に応えなければ、と頑張ってしまう」
「家族が困っていると、自分が何とかしなくちゃと思ってしまう」
そんな経験はありませんか?
親子は、とても身近な関係です。
だからこそ、喜びや安心だけでなく、葛藤や悲しみ、責任感など、さまざまな氣持ちが生まれることもあります。
そして、ときには、大切な人を想うあまり、自分自身の人生を後回しにしてしまうこともあるのかもしれません。
最近、私は自分自身のお金との向き合い方を見直す中で、父との関係について、大きな氣づきを受け取りました。
それは、
「父の人生を背負わなくても、父から受け取ったものを活かして生きていける」
ということでした。
父のことが大嫌いだった、かつての私
実は、小学校高学年くらいから、私は父のことが大嫌いでした。
父が怒る姿を見るのが怖くて、できるだけ話したくないし、目も合わせたくない。
同じ空間にいるときも、なるべく離れたところに座っていました。
当時の私にとって、父は安心して一緒にいられる存在ではなかったんです。
そんな父との関係を見つめ直し始めたのは、2018年の夏でした。
自分自身の内側を見つめる學びを通して、過去の経験が、今の人間関係や物事の受け取り方にも影響しているのかもしれないと考えるようになりました。
それから少しずつ、自分の感情に向き合い、父との関わり方を見つめ直してきました。
けれど、まさか数年後、父の人生を心から誇らしく思う日が来るなんて。
当時の私には、想像もできませんでした。
今まで見えていなかった、父のもう一つの姿
父は、長年にわたって仕事に向き合い、多くの方々とのご縁を育んできました。
けれど、仕事の中で大きな困難に直面し、長年続けてきたことに一区切りをつける経験もしました。
その頃の私は、
「どうにかして私が稼いで、家族の役に立ちたい」
という想いを強く持っていました。
大切な人を助けたい。
何かできることがあるなら、力になりたい。
そんな想いから、自分の力以上に頑張ろうとして、自分自身の暮らしや経済状況を後回しにしていた時期もありました。
そして最近、自分のお金の状況を専門家と一緒に整理する機会がありました。
その中で、あらためて父の歩みを振り返ったとき、今までとは違うものが見えてきたんです。
父が困難に直面したときにも、力を貸してくださる方々がいたこと。
長年築いてきた信頼関係が、その後も続いていたこと。
ともに歩んできた方々とのご縁が、新しい人生の一歩につながっていったこと。
思い描いていた形では続けられなかったこともある。
それでも、父が長年大切にしてきた人とのご縁や信頼は、形を変えて今も続いている。
そのことに氣づいたとき、涙が止まりませんでした。
私はこれまで、家庭の中で見てきた父の姿を強く記憶していました。
けれど、父には、私が十分に見てこなかった別の姿もあったんです。
人とのご縁を大切にしてきた父。
困難の中でも、前を向いて働き続ける父。
そして今も、自分の人生を歩み続けている父。
「こんなお父さんの血を引いていることが、有り難い」
生まれて初めて、心の底からそう思えました。
過去の一面だけが、その人のすべてではない
今回の経験から、あらためて感じたことがあります。
それは、私たちは、過去に見てきた相手の姿だけで、その人のすべてを知っているわけではないということです。
幼い頃、父の言動に傷ついたことは、なかったことにはなりません。
あの頃の私が感じた恐怖も、悲しみも、大切な感情です。
そして、過去に傷ついた相手を、無理に許したり、好きになったりする必要もありません。
それでも、私の場合は、時間をかけて自分自身と向き合う中で、少しずつ父へのまなざしが変わっていきました。
「あのとき、私は傷ついた」
という氣持ちも大切にしながら、
「この人には、こんな素敵な一面もあったんだ」
と感じられるようになったんです。
一人の人間には、さまざまな面があります。
親も、子どもも、完璧な存在ではありません。
だからこそ、過去の印象だけで決めつけるのではなく、今、目の前にいる相手を見つめることも大切にしたいと思いました。
もちろん、安心できない相手とは距離を置くことも、自分を大切にする選択の一つです。
「親の役に立ちたい」と「親の人生を背負う」は違う
そして今回、もう一つ大きな氣づきがありました。
私は、父や家族の役に立ちたいという想いから、自分の力以上に頑張ってきた部分があったのかもしれません。
でも、父は父の人生を歩んでいる。
私は、私の人生を歩んでいい。
父の人生を何とかしようと頑張るのではなく、父が生きる姿から、私が希望を受け取ってもいい。
そう感じられたんです。
大切な人を想うことと、その人の人生を背負うことは違う。
家族を助けることも、支え合うことも、素敵なことです。
けれど、自分の暮らしや健康を犠牲にしてまで、誰かの人生を何とかしようとしなくてもいい。
それぞれが自分の人生を大切にしながら、できる範囲で助け合う。
そんな関係を育んでいけたらと思います。
子どもたちにも「あなたは、あなたの人生を生きていい」と伝えたい
これは、日頃子どもたちや親御さんと関わる中でも、大切にしたいことです。
子どもたちは、私たち大人が思っている以上に、周りの人の様子をよく見ていることがあります。
親が困っていたり、悲しんでいたりすると、
「私が何とかしなきゃ」
「お母さんを悲しませないようにしよう」
「お父さんの期待に応えなきゃ」
と、自分の氣持ちを後回しにしてしまう子もいます。
もちろん、家族を思いやる氣持ちは、とても大切なものです。
でも、子どもが親の問題を解決する責任まで背負う必要はありません。
大人が子どもに伝えたいのは、
「あなたが私の問題を何とかしなくても大丈夫だよ」
「あなたは、あなたの氣持ちを大切にしていいんだよ」
「あなた自身の人生を、楽しんでいいんだよ」
という安心感ではないでしょうか。
そして、大人自身も、すべてを一人で抱え込む必要はありません。
必要なときには人に頼り、助けを受け取りながら、自分の人生を整えていく。
そんな姿を見せることも、子どもたちへの大切な贈り物になると思います。
受け継ぐことは、同じ人生を歩むことではない
今回、私は父の人生から、大切なことを受け取りました。
人とのご縁を大切にすること。
困難に直面しても、今できることを重ねていくこと。
思い描いていた形が変わっても、人生には新しい可能性があること。
そして、私は父と同じ人生を歩む必要はないということ。
父の経験を繰り返す必要も、父が成し遂げられなかったことを私が成し遂げる必要もありません。
受け継いだものの中から、自分が大切にしたいものを選び、自分らしい形で活かしていけばいい。
そう思えるようになりました。
そして、それは自分自身の過去についても同じです。
過去に失敗したことがあっても、それが自分のすべてではありません。
今、何かに悩んでいたとしても、これからの人生の可能性がなくなるわけではありません。
必要な助けを借りながら、今できることを一つずつ整えていく。
私自身も、そんなふうに自分の人生を育んでいるところです。
最後に、あなたにも問いかけてみたいと思います。
あなたが親や大切な人から受け継いだものの中で、これからも大切にしていきたいものは何ですか?
そして、
誰かのために背負ってきたものの中に、そろそろ手放してもいいものはありませんか?
親も子も、一人ひとりが自分の人生を大切にできる。
そして、互いの違いや歩みを尊重しながら、応援し合える。
そんな関係を、これからも育んでいきたいと思います。
一人ひとりに、すでに輝きがある。
輝きあい舎
あかり
