「解説を読んだ時は分かったと言っていたのに、次の日になると解けない」

「同じような問題を何度も間違えている」

「本人は『分かった』と言うけれど、本当に理解できているのか分からない」

お子さんの勉強を見ていて、そんなことはありませんか?

 

実は、

「解説を読んで分かった」ことと、
「自分で使えるくらい理解できた」ことは同じではありません。

 

そこで、私が学習コーチングの中でもよく取り入れているのが、

問題の解き方を、自分の言葉で説明してもらうこと

いわゆる「口頭説明」です。

 

特別な教材も必要なく、短時間でできる方法ですが、

「分かったつもり」を見つけ、

本当に理解できているところと、まだ曖昧なところを見分ける

ために、とても役立ちます。

「分かったのに解けない」が起きるのはなぜ?

間違えた問題の解説を読んだ時、

「あぁ、そういうことか!」

と納得することがあります。

その瞬間は、本人も本当に「分かった」と感じています。

ところが数日後、同じ問題や少し形を変えた問題を出すと、解けないことがあります。

なぜでしょうか。

一つの理由は、

「説明を見れば分かる状態」と「自分の力で考えられる状態」には差があるからです。

解説を読む時には、すでに正しい考え方や式が目の前にあります。

そのため、書かれている内容を追いかけて、

「なるほど」

と思うことはできます。

でも、何もない状態から、

「まず何を考えるのか」

「なぜこの式を使うのか」

「次に何をすればいいのか」

を自分で組み立てようとすると、途中で止まってしまう。

ここに、

「分かったつもり」

が隠れていることがあります。

「本当に分かった?」を確かめる口頭説明

そこでおすすめしているのが、

間違えた問題について、

自分の言葉で解き方を説明してみること

です。

例えば数学なら、

「まず、何を求める問題?」

「最初に何をした?」

「どうしてこの式を立てたの?」

「この数字はどこから出てきた?」

「その次はどうする?」

と確認していきます。

全部を完璧な言葉で説明する必要はありません。

大切なのは、

自分がどこまで説明できるのかを見ること。

理解できているところは、比較的スムーズに言葉にできます。

一方で、

「あれ?」

「なんでやったっけ?」

「ここから分からない」

と止まるところが出てきます。

その場所こそ、

次に学び直すところです。

口頭説明のやり方|家庭でもできる4ステップ

家庭で取り入れる場合も、難しく考える必要はありません。

① 間違えた問題を一度理解する

まずは解説を読んだり、先生に質問したりして、

「なるほど」

と思えるところまで確認します。

この時点では、まだ「完全に理解できた」と判断しません。

② 少し時間を空ける

その場ですぐ説明すると、解説の内容をそのまま覚えていることがあります。

そのため、可能であれば翌朝や翌日など、少し時間を空けて確認します。

私自身も、間違えた数学の問題を翌朝に口頭説明してもらうことがあります。

③ 問題を見ながら、自分の言葉で説明する

答えや解説を見ず、

「どう考えたらいい問題なのか」

「なぜその方法を使うのか」

「どんな順番で解くのか」

を説明してみます。

紙にもう一度すべて解き直さなくても構いません。

口頭だからこそ、短い時間で復習できるのもメリットです。

④ つまったところだけ、もう一度確認する

説明できなかったことを責める必要はありません。

むしろ、

「分かっていないところが見つかった!」

ということ。

教科書や解説に戻ったり、類題を解いたり、先生に質問したりして、その部分をもう一度確認します。

保護者さんは「教える人」にならなくても大丈夫

ご家庭でこの方法を取り入れる時、

「私は数学が苦手だから、子どもの説明が合っているか判断できません」

と思われる保護者さんもいらっしゃるかもしれません。

でも、保護者さんが問題を教えられる必要はありません。

例えば、

「これ、お母さんにも分かるように教えて♪」

と聞いてみるだけでも構いません。

説明している途中で本人が、

「あれ?」

と止まれば、

「ここ、もう一回確認してみたら?」

と返すことができます。

もちろん、説明が正しいかどうか専門的な確認が必要な場合は、先生や学習コーチに聞けば大丈夫です。

家庭で大切なのは、

正解を教えることより、本人が自分の理解度に気づくきっかけをつくること

だと私は考えています。

実際に起きた「学び方」の変化

中学生の頃から伴走している中学3年生にも、この方法を取り入れてきました。

夏休みには、数学で間違えた問題について、翌朝に口頭で説明してもらうことを繰り返しました。

以前であれば、

「これくらい分かっていたら大丈夫かな」

と進んでいたような問題もありました。

ところが、取り組みを重ねる中で、

自分で説明しようとすると曖昧になる部分に気づき、そこを質問として持ってきてくれることが増えてきました。

私は、この変化をとても大切にしています。

なぜなら、

できる問題が増えることだけが、学習の成長ではないからです。

「何が分からないか分かる」は、大切な学ぶ力

勉強が苦手な子の中には、

「分からない」

とは感じていても、

何が分からないのか、自分でも分からない

という状態の子もいます。

そこから、

「ここまでは分かる」

「でも、ここから説明できない」

「だから、ここを聞きたい」

と変わっていく。

これは、とても大きな変化です。

自分の理解度を自分で確認できるようになると、

「先生に言われたから復習する」

だけではなく、

「自分にはここが必要だから学び直そう」

と、自分で学習を進めることにつながっていきます。

口頭説明の目的は「説明上手になること」ではありません

ここで一つ、大切にしたいことがあります。

口頭説明の目的は、

上手に話せるようになることでも、

すらすら説明できなければいけないことでもありません。

目的は、

今の自分の理解度を知ること。

言葉につまったら、それは失敗ではありません。

むしろ、

「ここがまだ曖昧だった」

と気づけたということです。

だから私は、

「説明できなかったね」

ではなく、

「分からないところ、見つかったね」

という捉え方を大切にしています。

正解する力だけでなく、「自分で学べる力」を

輝きあい舎が、学習コーチングを通して育てたいのは、

テストで正解する力だけではありません。

自分がどこまで理解できているのかを見る力。

分からないことに気づく力。

必要な時に質問する力。

できなかった時に、もう一度戻る力。

そして、

「次はどうしたらできるだろう?」

と考える力。

そうした一つひとつが、

自分で学び続ける力

につながっていくと考えています。

最初から一人でできなくても大丈夫です。

初めは大人と一緒に、

「どこまで分かった?」

「どこから分からなくなった?」

と整理する。

そして少しずつ、

大人に見つけてもらうところから、

自分自身で気づけるところへ。

私は、そんな変化を大切にしながら伴走しています。

自ら學び、考え、未来をひらく力を。

目の前の一問をできるようにすることと、

その先も自分で学び続けられる力を育てること。

その両方を大切にしています🌱